初実施の容量拠出金「年次精算」:小売電気事業者が負うべきリスクとベネフィット
容量拠出金の年次精算について
2025年12月18日(木曜日)に電力広域的運営推進機関で第70回 容量市場の在り方等に関する検討会が開催されました。
議題としては以下の3つが議論されました。
- 容量市場の2025年度包括的検証について(Call for Evidence集計結果報告〈前半〉)
- 容量市場の需要曲線の算定について(NetCONEの扱い)
- 実需給2024年度の年次精算について
本記事では、実需給2024年度の年次精算についてに関して検討内容をまとめました。
この資料では、容量市場として初めてとなる実需給2024年度の「容量拠出金の年次精算」の実績報告です 。
小売電気事業者の立場での事業インパクト・注意点
- ペナルティの還元(ベネフィット): 容量提供事業者が供給義務を果たせなかった際に支払った「経済的ペナルティ」の総額が、滞納のない小売電気事業者に還元されます 。これは小売側にとっては「収益の押し上げ要因」となります。
- 未回収分の追加請求(リスク): 一部の小売事業者が容量拠出金を滞納した場合、その未回収分を他の健全な小売事業者が「追加請求」として按分負担する仕組みが動いています 。業界全体の未回収リスクが自社のコストに直結する点に注意が必要です。
アグリゲーター・系統蓄電池オーナーへのインパクト
リクワイアメント遵守の重要性: 発動指令電源などがリクワイアメント(発動指令への応答等)を達成できない場合、ペナルティを支払うことになります 。このペナルティは最終的に小売事業者に還元されるため、アグリゲーターとしては「発動の確実性」が信頼の鍵となります。
今後の対策
キャッシュフローの管理: 年次精算は実需給年度後に行われるため、追加請求や還元が発生するタイミング(2025年10月分等)を予測した資金繰り管理が必要です・
エナジーアグリラボの分析・コメント
「容量拠出金の年次精算は、市場の『清算機能』が初めて実動したことを意味します。
小売電気事業者にとっては、自社の顧客数だけでなく、市場全体の支払い状況がコストに影響する『連帯責任』的な側面が可視化されました。今後は、拠出金コストの変動をいかに料金メニューやリスク管理に織り込むかが、経営の安定性を左右するでしょう。」


